●住友ファーマ人員削減７００名あなたならどうする？

2024年7月31日に『事業構造改革に伴う早期退職者募集に関するお知らせ』が発表されました。なんと700名が退職者の目標です。ホームページの会社概要の従業員数は2,836名（連結：4,889名）（2024年6月30日現在）となっています。700名となるととても大きな数字です。ほぼ3人に一人がリストラされる訳です。今頃、社内では動揺も激しく大変なことになっていると思います。早期退職者の募集内容に募集期間、人員数、などを確認できます。募集期間が一か月間もありません。これから２か月ほどで応募者は何人ほどとなるのでしょうか。

住友ファーマ　https://www.sumitomo-pharma.co.jp/news/20240731-2.html

会社の事業領域は

医薬品の研究開発をしている会社です。分野はがん領域、精神神経領域、再生・細胞医薬事業。高度な領域で医薬品の研究開発をしています。国内、海外に拠点が多数あります。事業比率は海外が６６％と四季報に出ていました。優秀な人たちが働くグローバル企業だと思います。
医薬品の開発では、先にコロナワクチンの開発が話題になりました。日本の製薬メーカーもチャレンジしましたが、結局、海外の製薬会社が開発スピードで勝り、私たちはファイザーやモデルナ製のワクチン接種をしたところです。技術力、開発力とスピードが常に求められる厳しい業界です。

会社の現状は

ホームページに社長のメッセージを見ることができます。２０２４年は黒字化を目指す再スタート。経営陣も刷新しています。新社長は元専務が紹介をして社長に就任しました。
2024年3月期に3千億円超という巨額の純損失を出しました。原因は原因は”収益の柱だった抗精神病薬「ラツーダ」の特許切れ”とのことです。医薬品の特許の存続期間は出願から20年ですが、最大で5年間の延長が認められます。特許が切れるまでの期間に次の柱が生まれなかったということでしょうか。

収益の柱だった「ラツーダ」の推移

収益の柱だった製品の売り上げ推移は以下となっています。こうなることは予想できたんだと思います。突然、会社が大事故にでもあったかのような状況をなぜ放置したんでしょうか。経営者だけではなく従業員全体で会社の将来を予測できたのではないでしょうか。どんな企業も売り上げの増加、収益の増加を目指して日々、頑張っています。決算は毎年やってます。

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社内の様子は、どうなんだろうか？

リストラが発表されて会社では従業員が動揺、不安を抱えて過ごしていると思います。会社内の様子はうかがい知れません。会社の現状や将来をもっと前から予測できなかったんでしょうか？できなかったのか出来ていたのかは不明ですが、いずれにしても社内は混乱していると思います。

減らされる研究開発費と将来性は

会社の事業領域は技術力、開発力、そしてスピードが要求される分野です。そうした中で研究開発にお金をかけられなくのは、事業を縮小して的を絞ったことで対処するしかありません。会社の将来を考えると、当面は成長が見込めないのかもしれません。絞り込んだ製品群からヒット商品が生まれない限り会社の存続が危ぶまれることになるかもしれません。

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あなたならどうするでしょうか？

ついでの売り上げ推移を見てみましょう。２０２１年までは利益を出していました。売り上げも伸びていました。社内の残って、会社の将来に期待するのか、リストラに応募するのか、まさしく人生の岐路に立っていることでしょう。
他人事で全く参考にはなりませんが、私なら会社の募集に応募することでしょう。
理由は
・会社の将来性に不安はないか
・自分のスキルを活かすことを考える

経営層にどこまで覚悟はあるのか？

住友ファーマ　https://www.sumitomo-pharma.co.jp/news/20240514-3.html

2024年5月14日付で役員報酬減額が発表されました。これは赤字決算に対する当然のけじめだと思います。その後、7月31日に人員削減の発表です。これに対する経営層のけじめもあってしかるべきではないでしょうか。退職者に特別加算の退職金を出すとは言え、従業員にはつらい出来事です。
減額期間は業績が回復するまで継続。それくらいの覚悟とけじめが必要です。